演題募集
演題を募集いたします。
募集する講演形態は、次の通りです。
- 一般演題(公募)
- 主題演題(公募)
- 指定演題
皆様からの多数のご応募をお待ちしております。
なお、公募演題の採否・発表形式・発表日時等は、会長にご一任ください。
「指定演題」は指定演者の先生のみ、ご登録をお願いいたします。
演題登録画面へ進むボタンは本ページ下部にございますが、以下の注意事項を十分お読みいただいた上で演題登録画面にお進みください。
1.演題登録方法
UMINシステムを用いたオンライン登録です。
本ページ下部の「新規演題登録」ボタンから、案内にしたがって演題の登録を行ってください。
演題登録後、締め切り前までは、登録内容の修正が可能です。
2.演題募集期間
2023年1月20日(金)~ 2023年2月28日(火)
3月13日(月)正午まで延長しました。
※再延長はございません。
※一般演題募集を締め切りました。
- 締め切り直前はアクセスが集中し、回線が混雑することにより演題登録に支障をきたすことも予想されますので、余裕を持ってご応募いただくことをお奨めいたします。
- 演題登録後、締め切り前までは、登録内容の修正が可能です。
- 原則、締切日以降の抄録の差し替えや登録内容の変更は受付できませんので、修正は必ず演題登録期間中にお済ませください。
3.応募資格
- 筆頭演者ならびに共同演者は、日本膵臓学会の会員に限ります。ただし、メディカルスタッフ、学部学生、医師免許を有しない大学院生の方は、会員・非会員を問いません。
非会員の方は、下記URLにて必ず入会手続きを行ってください。
※入会申請中に演題登録をおこなう場合は、会員番号入力欄に「99」とご入力ください。
- 演題は未発表のものに限ります。
- 研究内容、倫理面等を総合的に評価のうえ採否を決定し、口演発表とポスター発表に分類します。
- 主題演題については、不採用になった場合、一般演題としてご発表いただくことが可能です。
採否については会長一任とさせていただきますので、ご了承ください。
日本膵臓学会
http://www.suizou.org/apply/tetsuduki.htm
なお、会員番号がご不明な方は、下記までお問合せください。
4.公募演題の抄録文字数と共同演者の登録制限について
演題名:全角40文字以内(スペース含む)
抄録本文:全角800文字以内(スペース含む)
演者数(筆頭演者+共同演者):20名まで
所属施設数:10施設まで
総合計文字数(演者名・所属・演題名・抄録本文の合計):全角1,000文字以内(スペース含む)
※演題募集期間終了後、修正、共著者の変更・追加等には対応できかねますので、予めご了承ください。
5.登録方法・登録時の留意点
- 応募する「セッション」を1つ選択してください。
・一般演題(公募)
・主題演題(公募)
・指定演題
- 公募セッション(一般演題もしくは主題演題)を希望される場合、以下より希望カテゴリーを1つずつ選択してください。
- 一般演題に応募される方は、「口演」もしくは「ポスター」のどちらかを選択してください。
- 主題演題(シンポジウム、パネルディスカッション、ワークショップ)に応募される方は、下記をご確認の上、セッションを1つ選択してください。
主題演題には一部指定枠が含まれます。また、指定のみのセッションがありますのでご了承ください。
シンポジウム1
「転移性膵癌に対する治療戦略」(公募)
- 司会
- 里井 壮平(関西医科大学 外科学講座)
- 伊藤 芳紀(昭和大学医学部放射線医学講座 放射線治療学部門)
司会の言葉
膵癌は全体の5年生存率が10%に満たない最難治癌であり、およそ40-60%の膵癌は診断時に遠隔転移(distant organ metastasis; UR-M)を有する。膵癌における遠隔臓器転移は同時性ならびに異時性発生に分類され、肝・腹膜・肺・胸膜・骨などに転移する。標準治療は全身化学療法であるが、最近の化学療法の進歩に伴い、セカンドラインのみならずサードライン化学療法の導入も行われるようになり、その短期生存期間の延長が報告されている。肺などのオリゴ転移に対しては外科的切除や放射線治療などの局所治療も検討されており、さらに化学療法が著効し切除(conversion surgery)に至る患者も散見される。本シンポジウムでは転移性膵癌に対する各施設の治療戦略をデータとともに提示していただき、今後の日常診療への糧としたい。
シンポジウム2
「膵癌早期診断を目指した検診システムの構築」(公募)
- 司会
- 肱岡 範(がんセンター中央病院 肝胆膵内科)
- 花田 敬士(JA尾道総合病院 消化器内科)
司会の言葉
膵癌に対する予後改善を目指した取り組みは、診断から治療まで様々なアプローチが行われているが、早期発見に関しては未だ困難を極め、早期診断の開発は喫緊の課題である。
膵癌は、胃がん、大腸がん検診のように死亡率減少効果が証明されておらず、国の施策として対策型検診の対象となっておらず、検診方法が確立していない。このため、医療連携による早期膵癌プロジェクト、膵がんドック、ハイリスク群に対するサーベイランスなどの取り組みが国内で行われており、その成果も生まれている。またリキッドバイオプシーなどによるバイオマーカー探索や、mRNA, パンレグザ、アポリポ蛋白A2やメタボローム、十二指腸液を用いた早期診断も精力的に研究され、一部は実装化もされてきた。
本シンポジウムでは、現在の検診の問題点や早期診断の研究の成果を様々な切り口でご紹介頂き、膵癌早期診断を目指した次世代の検診システムの構築を確立する手がかりとしたい。
シンポジウム3
「Borderline resectable膵がんに対する治療戦略」(公募)
- 司会
- 古瀬 純司(神奈川県立がんセンター)
- 山上 裕機(和歌山県立医科大学 探索的がん免疫学講座)
司会の言葉
Borderline resectable(BR)膵癌は⼿術先⾏による外科的切除を施⾏しても⾼率に癌が遺残し、⽣存期間延⻑効果を得ることができない可能性の⾼い病態と定義され、化学療法または化学放射線療法を⾏った後再評価して切除適応などを検討することが勧められている。これまで後ろ向き研究や⼩規模なランダム化⽐較試験が⾏われているが、その推奨度は弱く、BR 膵癌に対する化学療法や化学放射線療法の⾄適レジメンの確⽴や標準化はできていない。BR 膵癌の治療成績の向上には外科的切除、化学療法、放射線療法を⽤いた集学的治療が必須であり、診療科を超えた協⼒体制が求められる。本シンポジウムでは、BR 膵癌の治療におけるエビデンスの確⽴を⽬指した取り組みをご紹介いただき、BR 膵癌に対する治療戦略の現状と今後の展望について討論したい。
シンポジウム4
「急性膵炎の致命率改善への集学的治療」(公募)
- 司会
- 竹山 宜典(近畿大学外科 肝胆膵部門)
- 廣田 衛久(東北医科薬科大学 内科学第二)
司会の言葉
重症急性膵炎の致命率は改善されたとはいえ、未だ約6%と高く、さらなる改善に向けての取り組みが重要である。本シンポジウムでは、急性膵炎の致命率を改善するための様々な取り組みについて、重症度判定や画像診断を含めた早期診療から局所合併症に対するインターベンション治療まで幅広く演題を募りたい。急性膵炎を取り巻く臨床課題として、入院時の重症度予測、発症早期に行うCT検査の有用性、初期輸液の種類や輸液速度、重症急性膵炎に対する予防的抗菌薬の効果、効果的な鎮痛治療、早期経口摂取の適応と有効性、重症患者の転送に関する地域連携、ACS、感染性WON、disconnected pancreatic duct syndromeなどへの集学的治療、重症患者に対して多職種が介入する診療の取り組みなど数多く、これらの課題への取り組みについて議論を深めたい。特に、複数の診療科やコメディカル一丸となってのチーム医療の取り組み、地域が一体となった急性膵炎診療への取り組みなどの演題があれば取り上げたい。
シンポジウム5
「低侵襲時代の膵臓手術」(公募)
- 司会
- 藤井 努(富山大学 消化器・腫瘍・総合外科)
- 中村 雅史(九州大学 臨床・腫瘍外科)
司会の言葉
膵臓外科はハイリスクな領域であるとともに複雑な再建術が必要な領域もあり、消化器外科の他分野と比較して低侵襲手術の普及が遅れていた。しかしながら、腹腔鏡下手術からロボット支援術式までの幅広い保険収載や、それに伴う安全な導入のための仕組みが確立したことで開始する施設が増加している。特に膵癌における低侵襲膵体尾部切除術は早期回復が期待できる。補助化学療法の重要性を考えると、今後さらに普及していく術式と考えられる。一方、低侵襲膵頭十二指腸切除術の難度は依然として高く、導入時の安全性の確保が特に重要となる。このためlearning curveを短縮するための定型術式の確立は重要な課題である。また拡大視効果で得られる微細な解剖学的構造の把握も安全性の高いアプローチ法の構築に有用である。本セッションでは安全性、普及性に重点をおいた定型的な術式を構築していく上で、feasibleと考える各施設の手術方法と手術成績を呈示して頂きたい。
シンポジウム6
「膵神経内分泌腫瘍に対する集学的治療」(公募)
- 司会
- 河本 泉(関西電力病院 外科)
- 青木 琢(獨協医科大学 肝・胆・膵外科)
司会の言葉
現行の診療ガイドラインでは、遠隔転移を伴う膵神経内分泌腫瘍(PanNEN)に対する治療方針として、治癒切除可能症例には「切除を中心とする集学的治療」が、切除不能遠隔転移を有する症例には「あらゆるモダリティーを用いた集学的治療」が推奨されている。低分化型NEN(NEC)の治療成績が向上しないのに比して、高分化型NEN(NET)に対する非切除治療の成績は、2011年以降の分子標的薬の登場以来格段の向上を示し、また最近では核医学治療であるPRRTも実施可能となった。本セッションでは、このような現況におけるNET, NECの集学的治療のベストプラクティスは何か、また未解決の課題は何かにつき、議論したい。内科・外科・放射線科など、多くの領域からの演題応募を期待する。
パネルディスカッション1
「膵疾患における臨床と病理の連携構築とそのベネフィット」(公募)
- 司会
- 福嶋 敬宜(自治医科大学 病理学・病理診断部)
- 廣野 誠子(兵庫医科大学 肝胆膵外科)
司会の言葉
臨床部門と病理部門の連携が患者の診療にもたらすベネフィットは大きいと考えられますが、実際には、それぞれの時間的、人員的、体制的な制約により、たとえ同じ施設内でも「連携が取れている」と考える施設の方が少ないのではないでしょうか。しかし、一言で「連携」とっても、その中には、臨床病理カンファレンス(術前、術後、ほか)、カンファレンス以外の情報共有、採取検体取り扱いに関する連携、検体造影、研究連携、ほか、さまざまなものが含まれ、その施設の状況にあった方法はあるはずです。本パネルディスカッションでは、それぞれの施設の「臨床と病理の連携」に関する具体的な取り組み、工夫についての情報を共有し、参加者がそれぞれの施設での業務に生かしてもらうことを目的として企画しました。様々な「臨床と病理の連携」に関する取り組みについてのご応募をお待ちしています。
パネルディスカッション2
「膵神経内分泌腫瘍のバイオマーカーの展望」(公募)
- 司会
- 工藤 篤(東京医科歯科大学 肝胆膵外科)
- 水野 伸匡(愛知がんセンター 消化器内科部)
司会の言葉
NENは生物学的にヘテロでバイオマーカーによるスクリーニングや経過観察が非常に難しい歴史がある。
血液学的には1942年以来、クロモグラニンAを含む40以上の血中診断モノアナライトバイオマーカーが開発されてきたが、感度、特異度、予測機能は低い。機能性腫瘍ではインスリン、ガストリンなどのホルモンが内分泌症状のバイオマーカーとして有用であるが、これらが予後をどの程度反映するかのコンセンサスはない。最近は血中転写産物、miRNA、Circulating tumor cellsなどを用いた、腫瘍活性、治療選択、効果判定、予後情報を提供するマルチアナライトバイオマーカーが注目されている。イメージングバイオマーカーには、各種画像診断から腫瘍学的な特徴を抽出する試みがなされてきた。病理診断バイオマーカーではKi67、核分裂像、クロモグラニンA、シナプトフィジン、CD56などが議論されてきた。本セッションでは血液マーカー、イメージング、病理診断、遺伝子マーカーなどにつき議論いただきたい。
パネルディスカッション3
「膵腫瘍に対するコンバージョン手術の適応と課題」(公募)
- 司会
- 佐田 尚宏(自治医科大学 消化器一般移植外科)
- 増井 俊彦(倉敷中央病院 外科)
司会の言葉
2019年以降診療ガイドラインで、初期治療としてすべての膵癌で抗癌化学療法が推奨されるようになり、手術(切除術)の役割は大きく変容しつつある。FOLFIRINOX、nab-PTXの導入以降、UR膵癌の治療選択肢としてコンバージョン手術が多数報告され、Pembrolizumab、Entrectinib、Olaparib等分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬を含めた新規薬剤の導入も進んでいる。その成果として最新の院内癌登録5 年生存率集計(2013-2014 年治療例)では、膵癌全体の5年生存率は12.5%と低値に留まっているものの、観血的治療(原発巣・治癒切除)のカテゴリーでは41.4%と着実に改善がみられている。本パネルディスカッションでは、いまだ定見がないpanNEN等も含めて膵腫瘍のコンバージョン手術について最新の知見を報告いただき、適応等今後の課題について議論を深めたい。
パネルディスカッション4
「膵interventional endoscopyの最前線」(公募)
- 司会
- 糸井 隆夫(東京医科大学 臨床医学系消化器内科学分野)
- 良沢 昭銘(埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科)
司会の言葉
低侵襲医療に対するニーズの高まりとともに,各種膵疾患に対してERCP関連手技,EUS関連手技を用いたinterventional endoscopyは不可欠なものとなっている。診断としては,ERCP下あるいは経口膵管鏡下の細胞診や生検,EUS-FNAが行われている。また治療としては慢性膵炎に対する内視鏡的膵石除去や膵管ドレナージ,膵疾患による良性ならびに悪性胆道狭窄に対する各種ドレナージ,さらにはWONに対するネクロセクトミーや膵腫瘍に対するEUSガイド下の抗腫瘍療法も試みられている。また乳頭部腫瘍に対する内視鏡的乳頭切除術やERCP後膵炎高リスク症例に対する予防的膵管ステント留置も行われている。本パネルディスカッションではこのような膵疾患に対する様々なinterventional endoscopyにおける各施設での新たな試みや工夫について,広くご応募いただき討議するとともに新たな知見を共有したい。なお,膵仮性嚢胞などのpureな液体貯留に対するネクロセクトミーを伴わないアプローチについては別セッションで取り扱う。
パネルディスカッション5
「免疫チェックポイント阻害剤を用いた膵癌治療:基礎から臨床まで」(公募)
- 司会
- 森実 千種(国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科)
- 井岡 達也(山口大学医学部附属病院 腫瘍センター)
司会の言葉
膵癌はいまだ難治癌の筆頭であり、各癌種において免疫チェックポイント阻害薬による目覚ましい治療成績が報告されるようになった現在でもその状況は変わっていない。抗PD-1抗体薬、抗PD-L1抗体薬、抗CTLA-4抗体薬の臨床導入以降、より治療効果を高めるための新規薬剤・治療法開発、併用薬や併用療法の検討、有効な集団を予測するバイオマーカーなどの検討が行われているが、膵癌領域において現時点で満足できる結果が得られているとはいいがたい。このような状況を打開すべく、基礎的検討や臨床研究が進行中であり、今後の研究開発に期待したいところである。本セッションでは、基礎研究者、臨床研究者にお集まりいただき、現状の知見や進行中の取り組みについて情報共有の上、今後の開発戦略について議論する。これにより膵癌における免疫チェックポイント阻害薬のブレークスルー達成のためのヒントを得たい。
パネルディスカッション6
「IPMNの発癌機構と治療方針決定」(公募)
- 司会
- 平野 聡(北海道大学 消化器外科学教室II)
- 中井 陽介(東京大学医学部附属病院 光学医療診療部)
司会の言葉
IPMNからの発癌には由来癌、併存癌に加えて、隣接併存癌の存在も近年では広く認識され、それぞれの発癌機序は遺伝子解析、エピジェネティクス解析、オミックス解析により明らかにされつつある。一方で臨床的にはIPMN由来癌・併存癌の発癌リスク因子の検討、それぞれに対する切除及び術後化学療法、残膵サーベイランスの確立など、発癌機序に基づいた診療方針の選択について明らかにすべき点も多く残されている。本セッションでは、内科、外科、病理それぞれの立場から、臨床データに加えて切除検体、生検検体、膵液・嚢胞液などのliquid biopsy検体を用いた病理学的、遺伝的解析による病態解明、診断、治療に関する新しい知見を提示してもらい、特に診療方針の選択につながる議論を行いたく、広く演題の応募を期待したい。
パネルディスカッション7
「膵がん、膵NENの臨床試験」(指定演題のみ)
- 司会
- 奥坂 拓志(国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科)
- 池田 公史(国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科)
司会の言葉
膵がんや膵 NET に対して、これまでに様々な臨床試験を行われ、周術期や進行期の標準治療が作り上げられてきた。現在も、新たなエビデンスを構築するために、検査方法、手術術式、周術期治療、進行期の一次/二次治療に対する薬物療法など、様々なランダム化比較試験などの臨床試験が行われている。本セッションでは、本邦等で現在進行中の臨床試験の試験デザイン(対象や方法、統計学的事項等)、進捗や成績発表の見通し、などについて紹介いただき、将来展望について Discussion する。
パネルディスカッション8
「家族性膵癌レジストリと付随研究:現状と課題」(公募)
- 司会
- 高折 恭一(市立長浜病院 外科)
- 蘆田 玲子(和歌山県立医科大学消化器内科 内科学第二講座)
司会の言葉
家族性膵癌家系とは「第1度近親者(親子・兄弟姉妹)に1対(2人)以上の膵癌患者のいる家系」と定義される。日本膵臓学会では、2014年から全国規模の家族性膵癌レジストリ(JFPCR:通称Family PaC Study)を運用している。また家族性膵癌レジストリ委員会を中心としたエキスパート・コンセンサスを作成し、膵癌高危険群に対して膵癌のスクリーニング検査を推奨している。2020年6月より本邦における多施設前向き研究として、EUSとMRIを用いた家族性膵癌家系または遺伝性膵癌症候群を有する個人に対するサーベイランス研究(Diamond study)が開始されている。今後、この登録制度を基盤にして、遺伝子解析を含めた多くの付随研究が行われ、膵臓癌の早期診断法の開発や本邦における原因遺伝子が解明されることが期待される。本セッションでは家族性膵癌レジストリとその付随研究に関して現状と今後の課題を議論したい。
ワークショップ1
「膵仮性嚢胞に対するベストプラクティス」(公募)
- 司会
- 大塚 隆生(鹿児島大学 消化器・乳腺甲状腺外科)
- 伊佐山浩通(順天堂大学医学部附属順天堂医院 消化器内科)
司会の言葉
膵仮性嚢胞は、基本的には漏出した膵液が貯留した状態である。膵管が破綻する病態が根底にあり、貯留した膵液が活性化、或いは感染して有症状化する。病態は急性膵炎や慢性膵炎急性増悪、膵管狭窄・膵石による尾側主膵管内圧上昇、手術手技や外傷による膵損傷など、多彩である。治療にあたっては、貯留液のドレナージのみならず原因となる病態の治療も併せて必要となる。本セッションでは、壊死物質の貯留以外の膵周囲液体貯留を扱うこととし、効率的な治療、再発の少ない根本的な治療について討論したい。外科、内科、放射線科など多数の科にわたって治療されることもあり、多彩な治療をご発表いただきたい。
ワークショップ2
「膵疾患に対する高齢者医療の現状と課題」(公募)
- 司会
- 入澤 篤志(獨協医科大学医学部内科学(消化器)講座)
- 高山 敬子(東京女子医科大学 消化器内科)
司会の言葉
近年、人口の高齢化に伴い、膵疾患においても高齢者を診療することが増加してきている。しかしながら高齢者は臨床試験では適格基準の対象外とされることが多く、根拠となるエビデンスが乏しいため適切な方針を策定できないのが現状である。一方で、ひと言で高齢者といっても歴年齢だけでは一括りにできず、基礎疾患やADLなど様々な角度からみた多様性に対応することも必要である。本ワークショップでは、高齢者の膵炎症性疾患・膵嚢胞性腫瘍・膵腫瘍などに対する、機能評価・内視鏡検査・画像検査・内科的治療・がん薬物療法・手術などの実態・問題点を明らかにすると共に、これらを安全かつ効果的に行うための工夫や課題についてご発表いただき、今後の高齢者膵疾患の診療標準指針の確立に向けて討議したい。
ワークショップ3
「膵疾患の新規バイオマーカーの最新の話題」(公募)
- 司会
- 藤森 尚(九州大学 肝臓・膵臓・胆道内科)
- 仲田 興平(九州大学 臨床・腫瘍外科)
司会の言葉
近年、各領域においてバイオマーカーの開発が進んでいる。バイオマーカーは診断のみならず、予後予測マーカー、個別化治療を目的とした治療効果判定予測マーカーなど様々な種類、用途がある。特に膵癌はいまだ、早期診断が困難で、かつ化学療法への治療効果も十分とは言えず、早期診断、個別化治療へ向けた研究が進められている。対象検体も尿、血液、さらには膵液などの消化液を利用したマーカーに関する開発が進み、CTC, ctDNA, exosome, miRNA , タンパク、ペプチド、など多岐にわたるマーカーの利用が検討されている。また、膵癌以外にも膵炎に関するマーカーの開発や、膵疾患とmicrobiomeとの関連も近年では報告されている。
本セッションでは膵疾患に関するバイオマーカーに関する研究、現状、さらには今後の展望に関して広く演題を募集する。
ワークショップ4
「自己免疫性膵炎の非典型例の取り扱い」(公募)
- 司会
- 池浦 司(関西医科大学 内科学第三講座(消化器肝臓内科))
- 内田 一茂(高知大学医学部 消化器内科学)
司会の言葉
自己免疫性膵炎は、1995年にYoshidaらによって提唱された日本発の疾患概念であり、膵腫大、膵管狭細像、ステロイド著効を特徴とする疾患である。組織学的には、1型と2型に分類され、1型はIgG4関連疾患の膵病変として扱われている。現在、診断基準やEUS下組織採取(EUS-TA)が広く普及することで、自己免疫性膵炎の診断は的確に行えるようになったが、一部では典型的な画像所見や高IgG4血症を伴わない症例、EUS-TAで本疾患特有の病理所見が得られない症例、ステロイド反応性が不十分な症例など、膵癌や腫瘤形成性膵炎などの他疾患との鑑別に難渋する症例も存在する。本セッションでは、本疾患が強く疑われるものの各種診断基準において自己免疫性膵炎と診断されない症例、非典型的な所見を呈する症例の取り扱いについて議論し、本疾患に残された課題を明らかにしたい。幅広い演題応募を期待している。
ワークショップ5
「膵疾患患者・家族へのチーム医療による支援」(公募)
- 司会
- 窪田 賢輔(横浜市立大附属病院内視鏡センター)
- 岸和田昌之(三重大学 肝胆膵・移植外科)
司会の言葉
膵癌患者は、個々の状態に応じた癌治療により予後やQOLに影響する。さらに良悪性に拘わらず膵疾患患者は、膵外分泌不全による低栄養、内分泌不全による膵性糖尿病に対する問題を抱えており、アルコール飲酒や生活環境が再発・増悪に大きく関与する。このため内科・外科的治療と並行し、膵癌診療支援をはじめ、 NSTによる栄養指導・教育、禁酒・断酒会などの生活指導、行政介入による経済・生活支援が重要である。現在、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・社会福祉士も含めた医療チームと、更に患者とその家族を有機的につなぎとめる地域ケアシステム・サポートセンターなどの事務系の協力も全国で行われている。過去の膵臓学会大会では、各地域での包括的チーム医療の取り組みが報告されてきたが、膵疾患のチーム医療はどうなり、今後どうなってゆくのか。患者家族会、医療経済的な取り組みも含め、多職種チームによる取り組みについて御発表頂ければ幸いである。
ワークショップ6
「臨床応用を見据えた膵臓基礎研究」(公募)
- 司会
- 北野 雅之(和歌山県立医科大学 第2内科)
- 児玉 裕三(神戸大学 消化器内科)
司会の言葉
基礎研究の成果による種々の医療技術の進歩は、我々の診療に大きな変化をもたらしている。膵疾患領域においても血液や膵組織のみならず、唾液、膵液、便などの臨床サンプルを用いたマルチオミックス解析や、iPS細胞や患者由来オルガノイドなどの新しい培養技術による検討、さらには遺伝子改変技術を駆使した膵疾患モデルマウスを用いた病態解明研究等が精力的に進められている。しかしその一方で、その臨床応用は一部のゲノム医療などに留まっており、膵炎や膵腫瘍の予後には未だ改善の余地が大きく残されている。本ワークショップでは、膵疾患のリスク評価、予防、早期診断、病型分類、新規治療開発、治療効果や副作用の予測などにおける各施設の最新の基礎研究成果についてご発表いただきたい。臨床応用に向けた現時点での課題と可能性を共有し、今後の膵臓基礎研究のマイルストーンとなる議論を期待する。
「SPNおよび腺房細胞癌の最新の診断と治療」(公募)
- 司会
- 菅野 敦(自治医科大学 消化器内科)
- 古川 徹(東北大学 病態病理学)
司会の言葉
稀な充実性膵腫瘍の代表として、solid-pseudopapillary neoplasm (SPN)と膵腺房細胞癌(acinar cell carcinoma: ACC)があげられる。SPNは、若年女性に発生することが多く、嚢胞変性や石灰化によって多彩な画像を呈する。SPNは潜在悪性とされるが、自然消失例や転移例など、その経過は多彩であり、切除以外の治療法は確立されていない。一方、ACCは近年BRCA2遺伝子との関連も報告され、徐々に疾患の背景が解明されつつあるが、その画像所見や予後なども症例によって異なり、いまだにその臨床像には不明な点が多い。今回、SPNとACCの診断と治療に関してワークショップを企画した。どちらも稀な膵腫瘍であり複数例を集積した報告は困難であることから、各施設で診断や治療に苦慮した示唆に富むSPNとACCの症例を募集し、症例検討を行いたい。基調講演と合わせて各症例の議論を行うことで、SPNとACCの理解が深まり、今後の診療に役立つワークショップになることを期待したい。
ワークショップ8
「膵臓疾患に対する周術期における栄養管理」(公募)
- 司会
- 海野 倫明(東北大学大学院消化器外科学)
- 遠藤 格(横浜市立大学消化器・腫瘍外科学)
司会の言葉
膵は消化・吸収の中心的役割を果たしているため、慢性膵炎・膵癌・IPMNなど膵実質が障害を受ける疾患では膵機能障害によって疾患の治療成績に悪影響を及ぼしうる。また膵癌の標準療法である術前・術後化学療法は栄養面から見ると悪影響を及ぼすことから、周術期には膵内・外分泌機能を念頭においた栄養管理が必須である。代表的な栄養管理法である経腸栄養法一つを見ても術後に使用するべきか否か、またシンバイオティクス付加の意義についても明らかではない。さらに膵全摘術では膵内・外分泌機能が廃絶するため短期だけでなく長期の栄養と血糖管理が重要である。近年、血糖モニタリングと皮下埋込み型インスリンポンプの発展により栄養・血糖管理は格段に進歩した。本ワークショップでは、各種膵手術に対する短期的・長期的栄養管理についてエキスパートの方々に論じていただきたい。
6.登録に関する注意事項
主題演題(シンポジウム、パネルディスカッション、ワークショップ)に応募される方は、不採択となった場合「一般演題として応募する」もしくは「演題を取り下げる」のどちらかを選択してください。
PanCAN Award について
NPO法人パンキャンジャパン(PanCAN)より、膵臓癌の研究を助成振興することを目的に“PanCAN Award”を授与いたします。PanCAN Awardの分類・受賞者数・賞金額は以下のとおりです。
- Basic Research Award(基礎研究)…1件 10万円
- Clinical Research Award(臨床研究)…1件 10万円
- Young Investigator Award(若手研究者賞)…3件 ※年齢35歳以下(2023年4月1日時点)
(1位:USD1,200、2位:USD1,000、3位:USD800)
※3.Young Investigator Awardに応募する場合は、必ず2023年4月1日時点の年齢を入力ください。
主題演題と各種Awardへの重複応募(登録)はできません。
査読の結果、受賞者はPanCAN Award Sessionにて発表を行っていただきます。
なお、選外となったAwardの応募者は、一般演題(口演)での発表とさせていただきます。
7.入力の際の注意事項
- 英字および数字は半角で入力してください。
- ① ② ③のような丸付き数字は使用できません。
- Ⅰ Ⅱ Ⅲのようなローマ数字も使用できません。英字の組み合わせで、II、VI、XIのように入力してください。
- αβγ等を使用するときはα β γを使用してください。
- その他の特殊文字につきましては、こちらをご確認ください。
- タイトルおよび抄録本文で上付き文字、下付き文字、イタリック文字、アンダーラインなどを使用する際は、書式を変更したい範囲をそれぞれ<SUP></SUP>、<SUB></SUB>、<I></I>、<U></U>で挟んでください。
- 行の途中で改行したい場合は、改行する文の冒頭に<BR>を入力してください。これらの記号はすべて半角文字を使用してください。
- 不等号「<」「>」を使用する時は、全角文字を使用してください。
- 抄録本文内の小見出しの括弧は、【 】を使用してください。登録ページ内に、コピー可能なテキストが掲載されています。
8.演題の受領通知
- ご入力のメールアドレス宛「登録完了確認メール」が自動配信されますので、演題登録の受領通知といたします。確認メールがお手元に届いたことを必ず確認してください。(通常、ご登録後5~10分以内に送信)
- セキュリティー保護のため、登録後の登録番号とパスワードの問合せには応じられませんので、発行された登録番号とパスワードを必ずお控えください。
- 1~2日経過しても登録完了確認メールがお手元に届かない場合は、メールアドレスが正しく登録されていない可能性が高いので、「確認・修正・削除」ボタンよりご自身の登録画面に入り、正しくご登録されているかご確認ください。
9.登録内容の確認・修正・削除
- 登録番号とパスワードを用いて、演題登録期間中に限り抄録の修正・削除が可能です。
投稿された抄録は、原則として校正されずそのまま印刷されます。提出者の責任において正確に作成してください。
- 演題名・抄録本文のほか、共同演者名についても十分ご確認ください。
- 登録締め切り後の抄録の変更、および共同演者の追加・変更は一切できません。
10.演題の採否通知
- 演題の採否・発表形式・発表日時等は、会長にご一任ください。
- 演題受理の確認および演題採否の通知は、ご登録いただいたアドレスへメールにてご案内いたしますので、正確に入力をお願いいたします。
※ご応募いただいた演題の採否通知は2023年4月下旬を予定しています。
※WEBメール(Gmail・Yahoo mail等)をご利用の方へ
連絡先メールアドレスにGmail・Yahoo mail等のWEBメールを登録している場合、一部メールが不達または遅延する事例が多く見受けられます。
WEBメールのご利用はお控えいただくことをお勧めいたします。
11.演題の登録
- UMINオンライン演題登録システムでは、【Firefox】【Google Chrome】【Internet Explorer】【Microsoft Edge】【Safari】以外のブラウザで演題登録はできません。
それ以外のブラウザでは、ご利用にならないよう、お願いいたします。
※各ブラウザは、最新バージョンの使用を前提としております。
- 演題登録についてご不明な点は、まずUMINオンライン演題登録システムFAQをご覧ください。
- 暗号通信のご利用をお勧めいたします。
平文通信では、情報の通り道でデータの盗聴や改ざんの可能性があります。一方、暗号通信ではデータが暗号化されているため、安全に送受信が可能です。
平文通信は、施設やプロバイダーなどの設定や環境に問題があり、暗号通信が使えない場合に限ってご利用ください。
- 下記のボタンより、演題登録画面にお進みください。
一般演題の応募は3月13日正午で締め切りました。
指定演者の先生の演題登録は、引き続き行っております。
演題登録方法に関するお問合せ先
第54回日本膵臓学会大会 運営事務局 演題担当
株式会社JTBコミュニケーションデザイン事業共創部 コンベンション第二事業局内
〒541-0056 大阪市中央区久太郎町2-1-25 JTBビル8階
FAX:06-4964-8804 E-mail:jps54@jtbcom.co.jp
※※運営事務局はテレワークを実施しております。原則E-mailでお問い合わせいただきますようご協力をお願いいたします。